鹿児島大学医歯学総合研究科
生殖病態生理学分野 教授
戸上 真一
教室の歴史
鹿児島大学医学部産科婦人科学教室は、昭和18年に開校した県立鹿児島医学専門学校に端を発し、昭和31年に国立へ移管、昭和49年に現在の桜ケ丘地区へ移転いたしました。歴代教授として、昭和18年に町野教授、昭和40年に森教授、昭和58年に永田教授、平成16年に堂地教授、平成28年に小林教授が就任され、令和8年5月に私が第6代教授として就任し、現在に至っております。この長い歴史のもと、当教室は鹿児島県内はもとより全国各地で活躍する多くの産婦人科医を輩出してまいりました。
産婦人科は「周産期」「腫瘍」「不妊内分泌」「女性ヘルスケア」の4領域から構成されますが、これらすべてを高いレベルで診療・教育できる施設は国内でも限られています。当教室は今後も、地域に根ざしながら我が国の産婦人科医療を支え続けてまいります。
患者様へ
当教室では、産婦人科の4領域を横断的に連携させることで、女性の一生に寄り添う質の高い医療の提供を目指しています。
少子化が進む現在、安心して出産できる環境を守ることは、社会全体にとって重要な使命です。地域周産期母子医療センターとして高度な産科医療を提供し、妊婦さんとご家族にとって安心できる出産の場を整えています。
また婦人科領域では、思春期から老年期まで、月経異常、不妊症、更年期障害、良性・悪性腫瘍など幅広い疾患に対応しています。特に、腹腔鏡手術やロボット手術、センチネルリンパ節生検などの低侵襲手術を積極的に導入し、患者さんの負担軽減と早期社会復帰を実現しています。妊孕性温存治療にも力を入れ、将来の妊娠・出産を見据えた医療を提供しています。
今後も、患者さんが安心して適切な時期に治療を受けられる体制を維持し続けてまいります。どうぞ安心してご相談ください。
産婦人科を志す皆さんへ
当教室は、産婦人科のすべての領域をバランスよく学べる全国でも数少ない環境を有しています。プライマリーケアから最先端医療まで幅広く経験でき、確かな臨床力を身につけることができます。私たちが大切にしているのは、「患者さんに寄り添う力」と「技術を磨き続ける姿勢」です。知識や技術だけでなく、患者さんの声に耳を傾け、信頼される医師へと成長してほしいと考えています。
また、現代の医療は日々目まぐるしく進歩しており、常に学び続ける姿勢がなければその変化に対応することはできません。当教室では「不断研鑽」の理念のもと、日々の診療・教育・研究に取り組み、常により良い医療を提供できるよう努めています。
近年、働き方やライフスタイルの多様化が進む中でも、産婦人科医療のやりがいと魅力は変わりません。命の誕生に立ち会い、患者さんの人生に深く関わることができる、非常にやりがいのある分野です。当教室では、ワークライフバランスを重視した勤務体制の整備にも取り組み、安心して長くキャリアを継続できる環境づくりを進めています。また、産婦人科専門医の取得はもとより、その先のサブスペシャルティ専門医までを見据えた体系的な教育プログラムを整備しており、一人ひとりの志向に応じたキャリア形成を支援しています。
ぜひ一度、当教室を見学し、その雰囲気を体感してください。
“産婦人科学”を学ぶ最良の環境がここにはあります。ぜひ当教室で研鑽を積み、鹿児島から本邦の産婦人科医療の発展に貢献していただくことを期待しています。
医療関係者の皆様へ
日頃より当教室の活動を支えてくださる医療関係者の皆様、ならびに自治体の皆様に深く感謝申し上げます。鹿児島県における産婦人科医師不足、特に地域医療の維持は喫緊の課題です。当教室は医師派遣を通じて地域の医療体制を支え、「安心して出産できる地域づくり」に貢献してまいります。
また、専門医研修プログラムにおいても、地域と大学が連携した実践的かつ質の高い教育体制を整えており、国内でも高い評価を得ています。
今後も地域医療と教育の両輪を強化し、持続可能な産婦人科医療体制の構築に取り組んでまいります。
最後に
女性が安心して生活し、妊婦さんが安心して出産できる社会の実現は、私たち産婦人科医の使命です。鹿児島から日本の未来を支える医療を発信していくために、教室員一同、不断の努力を続けてまいります。
今後とも鹿児島大学産科婦人科学教室へのご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2026年5月



