全国的に女性医師の割合は増加していますが、当科においてもその傾向は同様です。しかし多くの女性医師は、医師としてのキャリアアップの時期と出産、育児が重なるために、当直を含めた勤務との両立に悩むことも少なくありません。これらを個人の努力だけで解決するには限界があり、システムとして女性医師が働き続けることができる環境を整えることが重要です。そして、これは同時に、ともに働く独身女性医師や男性医師の支援にもつながるものでなくてはなりません。
以下に、当科で取り組んでいる女性医師への支援システムについてご紹介します。
産前・産後休暇及び育児休業について
個人の実情に応じて産前休暇・産後休暇・育児休業の取得や、復帰後には育児の環境に合わせた勤務体制(当直の免除、時短勤務など)を取り入れています。
院内保育園
「さくらっ子保育園」
【利用対象者】
本学職員の子で0歳(生後8週間以上)から2歳
【保育時間】
月曜日から土曜日
(日曜日、祝日および年末年始(12/29~1/3)を除く)
基本保育 7:00~19:00
延長保育 19:00~21:00
夜間保育 19:00~7:00(水・木曜日)
*但し、水曜日および木曜日のみ22:30までとする。
【定員】
31人
女性医師の声
現在、0歳の子供を育てながら大学外来勤務をしています。
少し早いですが、子供が5カ月になった時から復帰しました。
出産前は病棟で分娩や手術を担当したり、急患をもったりと、身も心も仕事に捧げていましたが、現在はその半分以下の仕事量です。
満たされない思いやもどかしさがあるのも事実ですが、今は、守るべき存在を守りながら、少しでも産婦人科医療に携わることができたらとの思いで働いています。
女性を診る産婦人科だからというのもあってか、大学の先生方にも良好な理解を得られているように思います。昼休みに院内保育園に授乳にも行かせてもらっています。
戦力としては出産前に劣りますが、妊娠出産を経たからこそ生かせる部分もあると信じて、これからも可能な範囲で頑張っていく所存です。
あらゆる活躍の場がある科としてとても魅力的だと思いますし、同じような立場の女性医師が増えるといいなと思っています。
(平成19年入局)
2歳の息子と11カ月の娘の子育て中です。仕事と育児の両立は、思っていたより大変です。
それでも私が2度も出産して仕事に復帰できたのも、一緒に働く先生方の理解があってのことだと思います。
1人目を出産して復帰したときに、時間の融通のききやすい外来業務に当てていただきました。復帰するまでの不安は相当なものがありましたが、1人目を出産して仕事復帰できた自信が、2人目を出産しても仕事復帰できる自信につながりました。
これなら3人目も……。
女性医師が多いので、是非みんなで育児や仕事の大変さや悩みを共感しながら頑張っていきたいです。
(33歳、平成15年入局)